
エクソゾームは、その性状や機能に関して未だ不明な点も多いのですが、ここ数年の研究によって、細胞間の情報伝達において重要な役割を担っていることが明らになってきました。
そして今では多くの研究分野において注目を集め、関連する論文数も激増しています。
私達が特に注目しているのは脳の神経細胞(ニューロン)由来のエクソソームです。分泌されたエクソソームには、エクソソームを産生した細胞に由来する特徴的なタンパク質やmRNA, miRNAなどが内包されていますので、
神経細胞ならば、例えば情報処理や情報伝達を担う分子、あるいは脳・神経系疾患の発症やその進行に関与する病態分子なども内包されていると考えられます。
更に興味深いことに、脳の神経細胞エクソソームは脳内環境だけに留まらず、血液脳関門を通過して末梢血中にも存在していることがわかってきました。通常は脳の神経細胞に直接アクセスしたり、
またエクソソームをはじめとするその産生物を採取したりすることは容易ではありません。しかし、もし末梢血中に存在する脳神経細胞由来のエクソソームを採取することができれば、
脳内神経細胞で生じている様々な分子レベルでの変化を、末梢血を材料として解析することも可能となるわけです。
私達は、カルフォルニア大学サンフランシスコ校のEdward J. Goeztl博士らが開発した、血漿中の神経細胞由来エクソゾームを効率よく単離する方法に着目しました。
そしてGoeztl博士らの技術を継承し、その事業化に取り組んでいる米国のNanoSomiX, Inc.と技術提携し、日本国内での事業展開のために株式会社ナノソミックス・ジャパン (NanoSomiX Japan, Inc.) を立ち上げました。
まず当面は、大学病院、研究機関の先生方や製薬会社、検査会社の皆様方のご要望にお応えすべく、脳・神経系疾患患者の血液を材料に、
そこに含まれる神経細胞由来エクソソームを単離してご提供する受託事業を中心に事業を展開してまいります。そして次のステップとして、NanoSomiX, Inc.と共に、
特にアルツハイマー病等の神経変性疾患を対象とした新たな血液検査方法の開発を進めるとともに、そのハイスーループット・プラットフォームの確立と受託検査体制の構築を目指します。
私達はこれらの事業を通じて、脳・神経系分野での病態研究、診断法や検査法、治療法の開発、さらに創薬研究等の分野において、皆様方の良き研究パートナーとして貢献していくことができるよう、今後とも挑戦を続けてまいります。
平成28年12月吉日
代表取締役 谷川 啓司
(Keishi Tanigawa, MD, PhD)
社名
株式会社ナノソミックス・ジャパン(NanoSomiX Japan, Inc.)
設立年月日
平成26年12月26日
代表者
谷川 啓司
所在地
東京都新宿区新宿5-6-12 MF新宿ビル
資本金
1,000万円
主要取引銀行
八千代銀行